日本語を構成する音素の種類が少ないので、日本人が外国語の発音を習得するのは困難である。L と R の区別が良い例だ。逆に、外国人が日本語を習得するときに、外国語訛りがあったとしても、通じる発音のレベルに達するのはさほど難しくない。という話をよく聞いたことがあるわけだが、もちろん日本語にあって英語に無い発音もある。代表格は長音(ー)と促音(っ)であり、日本語勉強中のアメリカ人が "long vowel" とか "pause" とか呼ぶのを聞いて、そうか、促音は「ポーズ」になるのか、なんか違う気もするけどな、と思っていた。そして、つい先日新たな例を見つけたかもしれないのでメモ。アメリカ人の同僚たちとのランチ中、僕の人生で N 回目の「L と R と日本語」の話になった。僕は自分の名前を言うときは R の発音を入れてるけど、本当の日本語の発音では R とは違う音なんだよ。どちらかと言うと、L の方に近い感じ。L とも違うけどね。そして、その本当の発音だと、誰一人分かってくれない。だから、まず日本語をアルファベットの綴りに変換して、それを皆が慣れた音素を使った発音で読んでいるわけ。本当の発音で言ったら、皆「え?」って言うよ。「へえ、じゃあ本当の発音言ってみて?」りゅう。「え?」(笑いながら)りゅう。「ちょっとまって。Ryu の R はどこに行ったの?あなたが言ったのは、Yu と全然違わないじゃない」え?違うでしょ?だって、「りゅう」と「ゆう」は違うでしょ?「同じに聞こえる…。(もう一人の同僚に)どう?あなたには違って聞こえる?」「いや、僕にも同じに聞こえる」りゅう。ゆう。全然違うじゃん!「同じよ」「同じだよ」えーー?じゃあ、りょう。よう。これは?「違う」「違うね」りゅう。ゆう。「同じ」「同じだ」えーーー?というわけで、標準的なアメリカ人には、日本語の「りゅう」と「ゆう」の区別はつかない。という仮説。もうちょっと聞いて回ってみるつもり。
投稿者: admin 投稿日時: 2007年8月14日(火) 22:20- 参照(285)
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