となりの部署の女性がグアテマラから養子を受け入れる寸前だったのだが、グアテマラ政府側の規制強化なのかアメリカ政府側の自粛勧告なのかはっきりわからないが、当面難しくなり、当人は相当の精神的ダメージを受けているという。アメリカに来て初めて知ったが、こちらには孤児や虐待を受けている子供を養子として引き取って育てている人が結構いる。自身に子供がいなくて養子を迎えるケースもあれば、実の子供がいても養子を引き受けるケースもある。Angelina Jolie など後者のケース。子供を育てるにはそれなりに費用もかかるわけであるが、養子受け入れ側の動機としては、子供に恵まれなかったが子供がほしい場合と恵まれない子供に手を差し伸べたいという理由がある。アメリカでの養子のルートとしては、フォスターケアを経て養子になる、弁護士などを通じて国内の子供を養子にする、海外から養子を迎える、などが考えられるが、国内から養子を迎える場合は倍率が高くpaperworkも煩雑で長期化する傾向があるため、国外、特に中国、ロシア、グアテマラから養子を受け入れることが多い。中国は一人っ子政策の影響で女の子の捨て子が依然多いこと、ロシアは旧ソ連崩壊により孤児が増加したといわれる。ではグアテマラは?というと、養子の斡旋を国ではなく民間の弁護士が請け負っており、各種規制もゆるいらしく、養子を求めるアメリカ人の中では"Baby Central"と呼ばれている。グアテマラのプロセスが比較的スムーズとは言え、養子を求める人は弁護士へのフィー、数度に渡るグアテマラへの渡航などもろもろ合わせて数万ドルの費用と1年近くの時間を費やすことになる。グアテマラでは手続き的には比較的strictではない一方で、部分的に人身売買のような形で子供がアメリカの家庭に弁護士を通じて引き渡されるケースもあると言われており(グアテマラの田舎の貧困層は斡旋業者が$10K提示すればほとんど子供を引き渡すと言われる)、人権擁護の観点から国際的にも非難されている。アメリカ政府のグアテマラからの養子受入れに対する規制強化、グアテマラ政府による監督強化などが、私の会社の女性のケースにも影響を及ぼしているのだろう。ほとんどのケースで、受入れ側は善意に基づいており、またグアテマラの弁護士も法的にも道義的にも正しいことを行っているようなので、子供たちが新しい家族と出会う機会が損なわれないようなアプローチが期待されるところ。参考記事:https://www.azcentral.com/arizonarepublic/news/articles/1001guatadopt.html
投稿者: シリコンバレー駐在日記 投稿日時: 2007年10月2日(火) 21:59- 参照(316)
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