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日本滞在時に新海誠作品の新作「天気の子」が上映開始となったので、見てきました。ネタバレなしで思うところを書いておきます。

と、その前に… 僕は、アニメ作品って気軽に見られるので嫌いじゃないし、時間があるときはアニメ作品見たりしていますが、ものすごく造詣が深いとかいうことは全くなく、「話題になっているし、見てみるかなー」程度のノリで楽しんでいる一般人です。ネット上には天気の子のこのシーンはこんな意味がある!みたいな詳細な分析をしているサイトも多々ありますが、ここではフツーの50前のおっさんが見た感想を書いているだけです。

新海作品で過去に見たのは前作の「君の名は。」と短編作品の「言の葉の庭」の2作品ですね。新海監督の名前は「秒速5センチメートル」の映像美を賞賛する声を何かで聞いて興味を持ったものの、いまだにその作品を見てはいません。その後、「言の葉の庭」がAmazonプライムビデオに載っているのを見つけて鑑賞。個人的に好印象な作品となりました。物語としては起伏がないものの、映像美は圧倒的。短編ながら、実生活の一部を詩的に切り取った美しさがあって完成度が高く心に残る作品となりました。この作品、実は何度か見返しています。物語は、うがった言い方をすると、足フェチな男子高校生が年上女性に想いを寄せてプラトニックな逢瀬をするという、物凄くじれったい話だけど、自分もかつては奥手で、遠くにいる好きな人を眺めて幸せを感じたりしていたなーと、過去を懐かしく感じてしまうようなそんな作品(遠い目)。

その後、大ヒットを記録した「君の名は。」を見たのですが、日常生活を描いた「言の葉の庭」と比べると、物語が破天荒にぶっとんでいたのに驚きました。それでも、エンタメ性があってハッピーエンドで満足させていただきました(あれれ、今見返してみると、「君の名は。」のこともブログに書いていなかったですね)。今回、日本からアメリカに戻ってくる飛行機にて「君の名は。」をもう一度鑑賞してきましたが、日本で見た「天気の子」よりは、はるかにエンタメ性が高い作品だと改めて感じました。

そして、今回の「天気の子」。この作品、紹介記事か何かで、天気をコントロールできる主人公が出ると書かれていたので、サイエンスフィクションな話になっているんだろうことは予期していましたが、なるほど、その通りでしたね。主人公とヒロインには、それぞれに後ろめたい出自があって、前半は暗い話が続き、なんだか鬱になりそうな気配がありましたし、途中でも、こんなシーンいるんか?とか、こんな小道具意味あるの?みたいに疑問に感じるものが多々ありました。そして最後も、「ええっ、こんな展開でいいの?」みたいに特大クエスチョンがついたりしましたが、それらを差し置いても、新海作品の真骨頂というべき圧倒的な映像美と愚直なまでの一途さに心奪われてしまい、おじさんも心揺さぶられるのでした。いやぁ、見て良かったです。

面白かったかと言われれば、YESと答えるでしょうね。ただ、先にも書いたように、ひっかかる点が多々あったのも事実です。

エンディングは、賛否が分かれると聞いていましたが、確かにそのとおりで、僕も「ええっ、そんなんでいいの?」と感じてしまいました。

で、見終えてから少しググったりしてみたんですが、やはり同様のことを感じた人は多いようでした。どうやら、新海監督も今回の作品は観客全員に受け入れてもらえるものではないということを言っているようです。どういう意味かというと、前回作品の「君の名は。」はエンターテイメントである点に注力したとかで、主人公もヒロインも、そして町の人もすべてがハッピーエンドになってますよね。ところが、監督自身は現実はそんなに上手くコトが運ぶわけないと思っていたとか。だから、監督は納得いかないところが少なからずあったようですが、エンタメにならないので、監督が折れたようです。

今回の作品は、新海監督が自分の作りたいように作る!とした作品だそうで、そのため、多少、冗長なシーンだとか、そんな話でいいの?みたいなところが出てくるんですが、監督としては満足のするものができたようです。

なので、興行収益では「君の名は。」を超えるような作品にはならないでしょうね。

アメリカではいつ頃上映されるのでしょうか。果たして、アメリカ人に受け入れてもらえるかな?

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2019年8月12日(月) 07:31