5月中旬だというのに季節外れの冷たい雨が降る週末、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
毎年ではないにしろ、5月に雨が降ることはありましたが、霧雨程度の軽い降りで、ここまでの本降りになったことはなかったように思います。

さて、毎週、ぴろ子はピアノを習っています。週末、先生に自宅に来てもらっての30分のレッスンです。

うちには昨年5月に販売開始となったコルグの G1 AIR という電子ピアノを昨年購入し、これをつかっています。

この電子ピアノ、それほど高額ではないのですが、音色や鍵盤の重さなどを本物のピアノに近づけているのをウリにしています(詳しくは上記リンクをご覧ください)。

電子ピアノを購入してから、せっかくなので、僕もピアノを独学ではじめました。僕は今までピアノはやったことがないので、大人のピアノ教本とかいう本を買い、空き時間を見つけては練習しています。一巻からはじめて、今は三巻半ばまで進みましたが、最近、ちょっと飽きて来て、せっかくだから、好きな曲を弾いてみようと、最近は五巻に載っているベートーベンの「エリーゼのために」を練習し、まだ人様に聴かせられるようなシロモノではありませんが、ゆっくりならなんとか指が回るようになってきました。

2週間前でしたでしょうか、その日、ぴろ子はピアノレッスンがあったのですが、風邪を引いておやすみすることになりました。レッスンをキャンセルしようとしたのですが、かねがね、一度、先生に僕のピアノを聞いてもらって、練習の方向性が間違っていないか、何か気づくことがあれば指摘してもらいたい!と思っていたので、僕がレッスンを受けることにしました。

レッスンは30分と短いので、まず自分が気になっていることを伝え、自分の演奏を聴いてもらい、先生に気づいたことを指摘してもらうというスタイルになりました。

その結果、先生から指摘を受けたのは端的に書くと次のような点でした。

「概ね弾けてはいるし、どこが弾けていないのかは自分でわかっているようなので今の練習を続ければOK。ただ、(電子ピアノではなく)本物のピアノでは同じように弾けないと思う。ペダルの使い方を気にしているようだが、本物のピアノと電子ピアノでは全然響きが違うので、電子ピアノで懸命にペダルを気にしても、本物のピアノでは同じようには出来ない。むしろ、楽譜に忠実とか考えず、自分が弾きたいように好きにアレンジして弾いて良いのではないか」

僕が気になっていることとして最初に伝えたのは、主題が移り変わる部分の解釈の仕方や演奏方法などでした。たぶん、僕の質問を聞いて、先生は、大げさに言うならば、僕が譜面至上主義的なことをしていると悟り、やんわりとそうしない方が良いと指摘してくれたのかなと感じています。

ただ、この電子ピアノ、本物に近い!を売りにしていたので、そこまで本物のピアノは違うのだろうか?というモヤモヤが自分の中で生まれました。

で、先日、たまたま友人宅に遊びに行った時にピアノがあったので、弾かせてもらったんです。その結果、なるほど、やはり電子ピアノと本物は違うなと体感しました。

まず、鍵盤の大きさが本物の方が少しだけ大きいので鍵盤の間隔が違いました。でも、これはそこまで大きな違いではなく、いつもより少し指を開けば良かったので、それほど違和感はありませんでした。

一番違いを感じたのは、やはり鍵盤の重さと音の出るタイミングでしょうか。
電子ピアノは鍵盤が重くしてあると言っても、ある地点まで鍵盤を押し込むと、そこで音がポーンと立ち上がります(弱く叩けば弱音が、強く叩けば強音が出ますが、音の立ち上がりははっきりしています)。こういうのってやはりデジタルなんでしょうね、そこに遊びのようなものはなく、オンかオフの2種類しかない世界です。

ところが、本物のピアノは、遊びのようなものが鍵盤にはあるので、しっかりと鍵盤を叩かないと音が立ち上がってくれません。しかも、強い音ならまだしも、弱い音を出す時も、ちゃんと叩かないと音が出てくれない。うーん、この感覚を身につけるのは、電子ピアノでは難しいのでしょうね。

それと、もうひとつ気づいたのは音の聴こえ方。ウチの電子ピアノではピアノの音が少し遠くから響いてくるようなそんな感じがしています。例えるなら、オーケストラのコンサートを二階席最前列から聴くような感じでしょうか。自分の出した音が混ざり合っているのを俯瞰できている感じです。

ところが、本物のピアノはそうではありませんでした。例えるなら、オーケストラの演奏を指揮者台の上で聴いている感じでしょうか。音は自分を取り囲むようにあちこちから鳴っているのです。これは慣れてくれば問題ないのかと思いますが、新鮮な響きでしたね。

アップライトで良いので、本物のピアノが欲しくなりましたね。

しかし、一方で次のようにも感じました。

確かに、本物のピアノは電子ピアノとは全然違います。でも、楽器の完成度を比べるなら、電子ピアノの方が完成されているというべきではないのでしょうか?鍵盤の遊びはなく、叩けば同じように音が出るのです。楽器ごとに癖があるなんてのはマイナス要因でしかないかと。

自分も今まではアコースティック信奉者でして、電子楽器なんて楽器じゃない!くらいに思っていたのですが、今回、電子ピアノを通してちょっと考えが変わりました。もちろん、本物のピアノにずっと触っていた方々からは、電子ピアノなんて~と言われると思いますが…。

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2019年5月18日(土) 02:42