ウチと同じコミュニティにアメリカ人の老夫婦が住んでいます。年は夫婦それぞれ80歳を超えていますが、二人ともとても明るく、祝日にはアメリカ国旗(それも独立当時の13州だったときの旗)を掲げています。会えば声を掛けてくれるし、イースターにはウサギのチョコレートをこっそりとウチの自宅ドア前に置いてくれるお茶目な面もあります。ぴろ子がプリスクールに通っていた時にあったグランドペアレンツデーには二人で参加してくれました。

お子さんもいるようですが離れて暮らしているようです。二人暮らしなので車は必須で、奥さんはベンツを、旦那さんはBMWを所有していました。が、数年前に旦那さんはBMWを手放して、スバルのSUVに乗り換えていました。

しかしながら、寄る年波には勝てないようで、旦那さんは数年前に足を怪我してしまい、それ以降、歩行が多少困難になったようで以前ほど歩く姿を見ることがなくなりました。奥さんも以前ほど元気ではなくなったように見受けられますが、それでもまだまだ矍鑠(かくしゃく)とされています。

そんな先日のこと。

僕が会社から帰宅して、一時的に家の外の来客用パーキングに一時的に車を停めたところ、ちょうど後ろから、その奥さんがBMWを運転して隣にやってきました。車から降りた彼女は、僕に良いものを見せてあげる!と言いながら、その近くに停めてあった車を指差し、

「新車を買ったのよ。スバルにしたわ!」

と言うではありませんか。

僕は一瞬状況がわかりませんでした。だって、スバルのSUVは数年前に買っていたじゃないですか。

それ以上に訳がわからなかったのは、彼女がスバルと言いながら指差したのは、

HYUNDAI

なのです。

いったい何がどうなっているのでしょう?どこから聞いたら良いのかわからずにこちらも混乱してしまいました。それとも、まさか、いよいよ彼女が混乱してしまったのでしょうか…

続いて、彼女は説明してくれました。今乗っているベンツは18年経過して買い替えを検討し、スバルにした。このベンツは売ろうとしたが流石に古くて引き取り手もないので近日中に寄付することにした。なるほど、新車を買ったと言いつつまだベンツに乗っていた理由は明らかになりました。

が、まだ大きな謎が残ります。スバルを買ったのか?それともHYUNDAIなのか。

彼女は、自分が指差したHYUNDAIを見ながら、

「あ、あれ、なんで、ここにELANTRAってロゴがあるのかしら?」

と言うではありませんか。

ここで全てが分かりました。

彼女が買った新車のスバルはHYUNDAIの2台隣にあったのです。このHYUNDAIが形も色もスバルに似ていたので、彼女が一時的に自分の車と間違えてしまったという訳でした。

全てが解決してスッキリでしたが、一時はどう対処したら良いのかとオロオロしてしまいました。

80歳を超えて新車を買うお二人には、まだまだ末長くお元気であってほしいものです。

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2019年4月23日(火) 16:28