とある日の早朝、朝飯を求めてSan Franciscoの金融街にあるサンドイッチショップのSubwayに入った時のこと。
カードで支払いを済ませた際に、何故かチャージ額が大きく異なっていることに気づき、店員にその旨を伝えた。当然、その店員は多く払ったトランザクションの無効化を試みるもなかなか上手くいかないようで、奥にいる別な店員を呼んできてレジであれこれと試行錯誤していた。
店内には僕一人。そこに、30才後半から40才台と思われるアフリカ系アメリカ人がふらりと入ってきた。服は薄汚れていて手ぶら。その人、Subwayの店員に水をくれと言うが店員は無視。次に、店頭に置かれたクッキーを買いたいが金がない言い出したが、これも店員は無視。すると、今度は僕に話しかけてきて、「クッキーを買ってくれ」「小銭をくれ」と言い出してきた。
正直、あまり関わりたくはないし、できればこの場を立ち去りたいが支払いがまだ終わっていないので、逃げ出すこともできない。
すると、その人、キャッシャーの上に置いてあった小さなプラスチック容器に入ったコーヒーミルクをひとつ手に取ると、おもむろに口に持っていって飲み出したではないか。ひとつ飲み終えると、もうひとつ飲み出した。
自分の経験からすると、こういった場合には店の人が追い出すが、今日の店員はアジア系のおばちゃんで、キャッシャーの操作に没頭していてこちらにはお構いなし。なんとも気まずい。
店員は、結局、多く払った分を現金で返してくれたが、当然、手渡された小銭を見た彼は「小銭くれ」と言ってくる。
僕はホームレスを完全無視して、店を出たが、小銭あげても良かったかもな、とか、なんならサンドイッチあげても良かったかもと、いろいろと考えが巡ってしまった。
日頃からボランティアだなんだといろいろとやっている(やらされている?)が、目の前の人に何もしないのはどうなんだといろいろと考えてしまった。
以前、このエリアのマクドナルドで、客がToGo商品を持って店を出たら、そのバーガーをひったくられるという事件があり、SNS上では、その犯人は腹が減っていたのだろうから、ドリンクもつけてあげたらいいのに、とか、俺なら奢ってあげるのにとか、同情的コメントが連なっていて、自分もそんな気分でいたけれど、いざ、そういう状況に自分が置かれても余裕を持った行動はできなさそうな気がする。
今回のケース、もし何か与えたら店に迷惑がかかるかもとか、いろいろな意見があるようだけれど、自分なりにどう行動すべきなのかちょっと考えてみたいきっかけにはなった。
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