Santa Claraにある「いろり屋」と言えば、ろばた焼きをウリにする居酒屋で、照明が落とされ静かにジャズが流れる店内は、隠れ家風な、ゆったりくつろげる雰囲気を演出しています。珍しい一品やお酒も揃っていて、飲兵衛にはお勧めな店です。

そんないろり屋がランチも始めた!とあれば行かなくてはなりません。それも、こだわりのトンカツを出します!とのこと。おおっ~、これは期待しちゃいますよ~と、San Joseミーティングの帰りにいろり屋に立ち寄ってきました。

いろり屋、俺ん家ラーメンの隣の店なんですが、隠れ家風な作りになっているので、店内の様子は小窓を覗き込んで見るしかないんですよね。以前は看板すらなかったんですが、今回は、IRORIYAと看板が出ていました(都市部には看板の出ていない店ってありますが、さすがにSanta Claraではマイナス要素の方が多かったのか...)

店頭に貼られたランチメニューを見ると、ロースカツ、ヒレカツ、そしてシーフードライスボウルの3品のみ。
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そして、驚きのお値段、なんと いずれも $24 。これにはかなり引いちゃいます…。ランチ一食で$24なんて、あり得なくないっすか?

でも、まぁ、一度はトライしてようかと、木製のドアを開けて店内へ。混雑しているかもと思いきや、お客さんはカウンターに一人と、テーブル2つに数人がいるだけで空いていました。もっとも、僕が行ったのはもう午後一時を回っていたので一番混雑するランチタイムは過ぎていましたが。

渡されたメニューも店頭に貼られたメニューと同じで3種類しかないようです。手渡されたメニューにはドリンクのページがありましたが、その一角には Tea なるセクションがあって、お茶にも値段が設定されておりました。お値段 なんと $5。これまたちょっとビックリ。きっと高品質なお茶を出しているのでしょうが、メニューを見ずに、ウェイターさんに「お飲み物どうなさいますか?」と聞かれて、何も考えずに「お茶」なんて答えようものなら、後でチャージを見て涙を流すことになったでしょう(もっとも、ウエイターさんが確認してくれるとは思うが…)。

この日はロースカツをオーダーしてみました。

まずは、すり鉢に入ったゴマとすり棒が渡されました。日本のトンカツチェーンでもお馴染みのセルフゴマすりですね。僕はゴマすりだけで生きてきたような男ですから、これ、大得意です。

充分にゴマがすりあがったころ、ロースカツ登場です。

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ご飯、お椀、キャベツ千切り、お新香、ソース2種、そして、厚切りの黒豚トンカツ。
トンカツのお皿には、レモン、塩、からしが添えられています。

この厚切りのボリュームはなかなかのもので、インパクトあります。

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ソースですが、いわゆるトンカツソースと、もうひとつはそのソースに柑橘系のフレイバーが加わったソースでした。

キャベツ千切りには、ゆずが振られているようで、爽やかな香がします。どうやら、ゆずドレッシングではないようで、オイルや塩気は感じませんでした。爽やかなゆずの香りのみがしました。トンカツソースが味が強いだけに、僕にとっては、さっぱりといただけるキャベツ千切りには味付けしてなくて十分です。

肉のインパクトはありますが、プレゼンテーションはもう一息といったところでしょうか。トンカツの乗った皿がお盆の大部分を占めているのに、そのお皿の半分はガランとしていて、ちょっと寂しさを覚えました。またトンカツアップの写真から分かるように、衣は一部がはがれてしまっていました(たまたま?)。

でも、肝心なのは、その味。早速いただきまーす

トンカツは柔らかく揚がっていて美味しいのですが、若干、豚の臭みが残っていました。これって、どうしようもないのでしょうかね。ソースは2種類あるとは言え、味の方向性は同じで面白味に欠けるかな。ご飯は美味しく炊けているし、お椀も美味しくいだきました(が、お椀はサイズが小さいのがちょっと残念)。

日本のトンカツチェーンだと、ご飯やキャベツはお代わり自由ですが、いろり屋はそうではないようです(少なくとも、「お代わりお持ちしましょうか?」とは聞かれなかったし、メニューにも書かれていなかったので、そうではないのかと思われ)。

と、いう訳で、総評。

いろり屋のトンカツ、やや臭みが残っていたのが残念ですが、ボリュームがあるのに柔らかく挙がっていて美味しくいただきました。が、いかんせん $24 は僕の懐には痛すぎです。これなら、Mountain
ViewのGuruカツに行っちゃうかなぁ。もうひとつ、衣もこだわりの手作りと聞いていたのですが、これと言って感じるものはありませんでした。個人的にはトンカツの衣は、大粒のサクサクした食感が好みですが、いろり屋のは粒は細かいように感じました。そして、一部、油が多く残ってベタっとした感がありました。

ごめんなさい。ネガティブな意見が多くなってしまいましたが、$24って値段を見れば、期待値もグーンと上がってしまうので仕方ないところかなぁと。店の雰囲気は良いし、トンカツの味そのものは美味しいと思います。値段に糸目をつけないで美味しいものが食べたいっていうのであれば充分にアリだと思います。

僕のような貧乏人が心配する必要もないのでしょうが、ランチメニューが現在3品しかない(それも、どれも$24)っていうのは、お客からすれば選択肢が少なくて行きにくいような気もします。トンカツ一本でやっていくってのもアリだと思いますが、日本のトンカツフランチャイズの味を知っている日本人客には、そこと比較してしまってネガティブな点ばかり目立ちそうな予感。いずれにしても、ポテンシャルのあるお店だけに今後どうなっていくかは注目です。

いろり屋

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2018年3月18日(日) 23:42