今年に入って、Fidelity(株式や投信などの販売運用会社)からお知らせメールが届きました。曰く、「あなたのストックオプションが今年7月で期限切れになっちゃうよ~」だそうで。
このストックオプション、付与されてから10年で期限切れになるもので、今年7月で支給されてから丸10年になります。
ストックオプションと聞くと、何ミリオンになるんだろう?とか思われる方もいるかも知れませんが、勢いのあった時代はとっくに過ぎ去った、IT業界の潮流から取り残されつつある大企業のストックオプションなので大した額にはなりません。それに、2011年に家を買った際の頭金捻出に大半を売ってしまったし。でも、飲み会数回分くらいにはなるので、売る手続きが滞りなくできることを確かめておこうと、久々にFidelityのストックオプションのページを開いてみました。
そして、メニューからストックオプションを"売る"を選ぼうとしたのですが、あれれ、その選択肢が無い。売るシミュレーションをするとか、ストックオプション付与に関するドキュメントを読むとかいう選択肢はあれど、肝心の「売る」がないのです。
うーん、前回は、このメニューの選択肢のひとつに「売る」があったのに。これじゃ売れません。仕方ないので、Fidelityのカスタマーサポートに電話してみました。
担当してくれたスタッフも、「おかしいですねぇ」と首をかしげ、社内サポートに回されることになりました。
そして一週間後、Fidelityから電話があり、何故売れないか説明してくれました。
※以下のストックオプションの説明はウチの会社の僕に付与されたストックオプションについてです。他の同僚や、他社のストックオプションでは異なる場合があります。
その説明によると、そのストックオプションをVestできる日が今年の8月になっているのが原因なのだそう。確かにウェブサイトに表示された僕のストックオプションの属性を見ると、Vesting Dateが8月、Expiration Dateが7月になっています。
Vestできる日とは、ストックオプションを売れる(英語だとExerciseを使うけど、ここでは分かりやすく売ると言います)日のことです。ストックオプションが付与された際、すぐに与えられたストックオプションをすべて売ることは出来ません。例えば、100株貰った場合、半分の50株はすぐに売れるけど、あとの50株は5年後に売れるよ…というように権利行使できる日(Vesting Date)が設定されています。
つまり、僕のストックオプションは、期限切れになるのが今年の7月末で、売れるのが今年の8月になっているということです。
ふーん、そうかぁ。納得!
な、訳ない
そんな理不尽なことある訳ないでしょ!
それじゃ、権利行使する前に消滅しちゃうじゃない。なんじゃそりゃ。新手の詐欺なのか?
と、呆れてしまったのですが、追加説明で理由が分かりました。
ストックオプションの権利消滅するのは付与されてから10年後とはじめから決まっていまして、これは何があっても変更はできないのだそうです。
ところが、Vesting Dateは、会社を休職した期間があると、その期間をカウントしないため、Vesting
Dateが後ろにずれるのだそうです。例えば、vesting dateが5年後としても、その間に1年間会社を休職したとすると、vesting dateは6年後になってしまうのだそう。
で、僕のケースです。はい、確かに僕は休職したことがあります。が、休職した時期って、ぴろ子が生まれるときの1か月(2011年)と、ぴろ太郎が生まれるときの3週間(2016年)だけです。なので、たかだか2か月弱休んだだけで、Vesting DateがExpire後になるなんてありえなくない!?
と聞いてみたら、なんと、僕は2011年からず~っと休職していることになっているのだそうで。
そんなことあり得ない~。だって、会社からはちゃんと(休職した2か月弱を除き)給与貰っていますから。
結局、Fidelity側ではどうすることもできないそうで、まずは人事だか社内のストックオプション担当者に話して、社内のデータを正しく直してもらうのが先ということに。
で、社内のストックオプション担当者に聞いてみたら、やはり、僕は2011年から休んでいることになっていたそうで。
先に述べたように給与はちゃんと支払われていたので、そのストックオプションのvesting dateを決定するための記録が更新されていなかったみたいです。「時折、こういうことあるんだよね~」となんともお気楽な返事が。
結局、僕の人事担当者に話して、僕が休職していないことを証明してもらい、ストックオプションのvesting date決定の元になっている社内システムを更新してもらいました。現在、Fidelity側に働きかけて先方のデータを更新してもらうように動いてもらっています。担当者いわく、来週早々には売れるようになっているとのこと。この間に株価が暴落していたら、どうしてくれたんだろう?(実際には、ここ数日上昇していたので、売ってなくて良かったんだけど)。
しかし、早めに動いておいてよかった。もし、6月末になってから、「あー、ストックオプション切れちゃうから売ろう!」って思ってたら間違いなくパニックになっていた予感。
この会社、しばらく前に、いろいろな社内システムを統合してデータの一元管理しようと動いていたのに、完璧には出来ていなかったみたいね。そして、システム間の自動連係もしていないってことね。ちょっとお粗末じゃない?
それで思い出したのが、とある同僚のケース。彼女は僕と同様、日本法人から米国本社に転籍してきたのですが、転籍してから、いろいろな問題が発生したのだそう。で、調べてもらったところ、それらの問題は、性別があやまって「男」としてシステム登録されていたことに起因していたのだそう。
あるんだねぇ、そんなことが。
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