アメリカ大統領選の結果は大方の予想を覆して、ドナルド・トランプが次期大統領に決定しましたね。
僕のまわりには、トランプを推す人なんて皆無。誰もがヒラリー勝利で間違いないと口にしていました。なのにこんな結果になるなんて。シリコンバレーという場所が如何に特異な場所なのかということの表れなのでしょう。
大統領選挙前には、同僚らとも頻繁に大統領選の話題があがりました。
僕の所属するグループは、社員15人で構成されていますが、この15人のうち、投票権を持っている人(=アメリカ市民権保持者)は半分の7人。さらに、その7人のうち、アメリカ大統領になれる条件(=アメリカ生まれ)を満たす人は、たったの1人。
そして、その1人も、両親はインドからの移民のインド系。僕のチームには、アメリカ生まれのアングロサクソン系アメリカ人は皆無です。こういうグループだけに、トランプを推す声なんて全く聞くことはできませんでした。
世界は、トランプがどんな施策を打ち出していくのかに注目しています。多分、選挙期間中に大々的に言っていたようなむちゃくちゃな施策は出来ないと思いますが、トランプ以上に、今回の選挙を通して、他にもいろいろと気になる点が出てきています。
暴言王トランプを抑えるのに適役と言われる副大統領のマイク・ペンス。この人は、かなりの右翼・保守派な人だそうで、2015年3月、州知事の彼は、インディアナ州内の個人や企業が、同性愛者やトランスジェンダーに対してサービスを拒否することを可能にする法案に署名して、その法律が発効されました。これにより、レストランに入ってきたゲイカップルのお客にはサービスを提供しない!ということが合法ということになりました。この法案は後に修正されたそうですが、西海岸に住んでいる我々からすれば、なんとも時代錯誤的な法案を通したものだと思ってしまいます。
議会は上下両院ともに共和党が多数派になりましたから、共和党の政策が打ち出されるのは間違いないかと。
そして、もうひとつ大きな懸念事項。多分、これが一番大きい懸念かも…は、現在、空いているアメリカ連邦最高裁判事のポジションです。
アメリカの最高裁判事は9人いて、任期はありません。いったん判事になったら死ぬまでそのポジションに就けるのです。任期がないってのもすごいですよね。
判事は大統領が任命し、議会が承認して決まるのですが、現在の判事は、共和党出身大統領が任命した4人、民主党出身大統領が任命した4人から構成されています。
あれ、あと1人は? 実は、今年2月に判事が一人逝去して、そのポジションが空いているのです。当然、オバマ大統領はリベラルな判事を選ぼうとしますが、議会で多数派の共和党はのらりくらりとその承認を遅らせようとして、現在も空席のままです。
どうやら、残るポジションは、共和党よりの判事になることは間違いなさそうです。
なぜ最高裁判事が重要なのか?ですが、最高裁判事には、議会が可決した法案を無効にする力があります。また大統領の権限を制限する力も持ちます。
共和党が良い悪いということを言うつもりはありませんが、アメリカは国政全体が保守派に覆われた時代に突入していきます。
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