ベイエリアで最も有名なライブハウスのひとつにYoshi'sというJazzクラブがあります。サンフランシスコからベイブリッジを渡った対岸のオークランドに位置し、世界中から有名アーティストを呼んで毎晩2回ライブをやっています。オーナーは日本人、30年以上前に寿司レストランからスタートしたこともあって、今もお店の半分はJapanese Restaurant & Bar, 半分がライブ会場という、日本人的にはおもしろい組み合わせになっています。が、海外ではSushiといえばお洒落なイメージがあるようで、ホテルのバーで生演奏を聞きながらお寿司をつまむのは珍しくないようです。先日このYoshi'sに日本人Jazzピアニストの上原ひろみがやってきました。彼女は17歳の時にチック・コリアと共演・絶賛されたとか、バークリー音楽院を首席で卒業とか、3年連続NYのブルーノートで一週間連続公演したとか、アメリカでの話題にも事欠きません。そうはいっても日本人だからそんなに混んでないだろう、とチケットを持たずに2回目(10時)のセッションに行ってみたのですが、会場はほぼ満席、あやうくSold Outになるところでした。彼女の演奏はあの細い体からは想像できない迫力でした。タッチは恐ろしく力強く正確で、腕がツラないかなとこっちが心配になるくらい。90分弾きっぱなし、惹きつけっぱなしでした。アンコールには日本のさくらさくらのJazzアレンジで日本人を喜ばせてくれました。これだけ楽しんでAdmission14ドルは申し訳ないです。Yoshi'sはこれまでにも津軽三味線の吉田兄弟、松居慶子、森山良子、加藤登紀子など、日本人アーティストを何人も呼んでいます。数ヶ月前、たまたま聴きに寄った日に大ベテランの秋吉敏子が夫のルータバキンと出演していて驚きました。東京にいると娯楽のオプションが多いせいかJazzクラブに足を運ぶことは稀でしたが、おとなしいベイエリアの夜ではお気に入りのスポットになりつつあります。オークランドに行ったらぜひ立ち寄ってみてください。
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