San Mateoのダウンタウン、4th Street沿いにある「らくに」が今週一杯(9/27が最終営業日との話)で暖簾を下ろすそうです。

うなぎの寝床のように長細いカウンターのみの小さな店内に英語表記は一切なく、壁には竹札に手書のメニューが並び、ホワイトボードにはお勧めが書かれ、新橋のガード下の飲み屋をそのまま丸々持ってきたような店のつくりは、アメリカに移り住んできたばかりの自分にとって、落ち着く場所でした。

店を切り盛りするクニさんとチコさんも、クセはあるけれど味もあるお二人で、時にゴルフのアドバイス、時に人生相談と、喜怒哀楽を交えながら、楽しく飲ませていただきました。

自分がらくにに足を運ぶようになった10数年前は、いつも日本人常連客で満席の店だったのを思い出します。
お客がいれば店も遅くまで開けていたので、日が変わるまで飲んでいたなんてこともかつては良くありました。

また、サンマテオ界隈の飲食業オーナーの方々も自分の店を閉めたあと遅くにやってきて、いろいろな裏話を聞かせていただくこともありました。

時は流れ、多くの日系企業がベイエリアから引き上げ、らくにでも以前のような賑わいは少なくなりました。夜遅くまで開いていたらくにも客がいなければ10時前に店を閉まるようになり、早い時間に行ってもお客は少なく、いても日本人以外のお客ばかりになっていました。

僕も結婚して子供が生まれ、以前のように飲み歩くことは少なくなり、らくにからも足が遠のいていました。

ここ最近、ぴろ子も成長して、比較的安心してぴろ子連れで外食できるようになったので、最近、らくにに何度か家族連れで行っていますが、その矢先に閉店とのニュースが飛び込んできてショックです。

なんだか、らくには、自分が生まれる前からそこにあって、自分が年をとってからもまだ営業し続けているようなそんなお店に感じていただけに閉店のニュースは残念でなりません。

とは言え、クニさんとチコさんは長いことお店の暖簾を守ってきていただきました。他の日本食レストランが時代に合わせてメニューを変え、営業スタイルを変えるなか、らくには私の知る限りほとんど昔を変わっていません(サンマテオ界隈の和食レストランがメニューの値段をどんどんあげる中、らくにはほとんど上げていないように思う)。今後、お二人がどうされるのか噂レベルでしか知りませんが、顔で笑って、心で泣いて、お二人の新たな門出をお祝いしたいと思います。

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2014年9月21日(日) 18:24