6月6日発売の季刊KOTOBA7月号(集英社)にウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』とシュテファン・ツヴァイクについて書きました。 『グランド・ブダペスト・ホテル』を観ている感覚は、まるで飛び出す絵本を読んでいるようだ。可愛くて楽しくて軽くておかしい。  でも、このピンクのドタバタの裏には闇がある。  このズブロフカ共和国はファシストの手に落ちて消滅してしまう。陽気なグスタヴにも最後に唐突な悲劇が訪れる。そして最後にこんな字幕が出る。 「シュテファン・ツヴァイクの著作にインスパ ...

投稿者: ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 投稿日時: 2014年6月3日(火) 08:00