小学生の頃のボクは、大きくなったら中学生になると思っていた。

中学になると次は高校生、そして高校生のボクは、仲間たちと一緒に大学生になれるものだと思っていた。
予備校に入り、ようやく「進路」という言葉の意味を理解しだした頃、予備校仲間たちの行動を見て彼らの合否を予測できる冷徹な眼を養った。幼稚園からこの予備校まで一緒だった幼なじみのキクちゃんは、「お前が2浪するなら俺もしてみるけどどうする?」と優しく聞いてくれたが、彼もその頃にはボクと同じ眼を持ってたらしく、その問いの答えは二人とももう出ていた。

我が故郷人吉には、「一井正典」(いちのいまさつね)という大先輩がいて、近代歯科医学の先駆者と言われている。
この一井大先輩がシリコン谷(ロスガトス市)に住んでいたことが縁で人吉市と繋がり、人吉市に「青雲の志」育成事業が企画され、この春地元の高校生7名がこの地を訪れてくれた。 シリコン谷の高校生との交流会、大学見学、企業見学、そして日本人若手起業家とのパネルディスカッションなどがあり、ボクもこの交流会とパネルディスを見学させてもらう機会を得た。

この会には、30歳前後の若い日本人起業家や駐在者がパネラーとして男女5名参加し、7名の高校生の前で渡米や起業の経緯を話してくれた。そして質疑応答では、進路や思春期の迷いなど生徒の悩み相談に乗るのだがこの話が面白い。何よりも、高校生にとってはまだお兄さんお姉さんと思える人が、失敗することなど考えずにやりたいことに挑戦し、失敗したことはをあけすけに話し、未だ挑戦中という話なんだから面白くないはずがない。この日のコーディネーターは同じ熊本出身でやはり起業家のほかちゃんだが、「どうして話さないの?」と聞いたところ、「ボクなんかの話しても若い人の興味は引けないと思う、最近は昔話するのはやめたんだ。」
??? ほかちゃんもまだ40代なのに!!!

それにしても.............

この高校生たち、そして若い起業家たちの夢や迷いの大きいこと。すばらしいの一言でした。
ボクはいったいこれまでなにを考えてきたんだろうとここしばらく落ち込んでいます。

この育成事業を企画し、シリコン谷サイドの引き受け人は我が母校の井手先輩です。そういえば井手先輩も30代で起業されてますね。でもきっと自分の昔話などしてないんでしょうね。何も言わずにただ手伝う。ボクもボクが描いたことのない夢や希望に満ちあふれている後輩たちを、これからも応援していきたいですね。

人吉広報

ちなみに上述したキクちゃんの近況はこちらです。

投稿者: 寿司豊味ととろぐ Sushitomi 投稿日時: 2014年5月5日(月) 11:38