巨漢のホセはよくしゃべる。気は優しくて力持ちではあるが、とにかくおしゃべりだ。
ホセがしゃべりだすと誰も口を挟めない。ボクは、彼が話し始めると皆に、「ホセ大統領の演説が始まったぞ!! 皆静かにして聞きなさい!!」といつも言って皆の笑いを誘う。

ホセは電話魔でもある。仕事前、休憩中、とにかく電話を離さない。とある昼休み、いったい何を、誰と話しているのか確認してみたくなり、こっそり近づいてみた。

ずっと受話器に耳を当てているが、当人は何も話していない。たまに相づちをうつか、「そうそう、はいはい、うーん、よくわかるよ。」ボクにもすぐ理解できる範囲のスペイン語だ。「奥さんか?」とこっそり聞いてみると、照れ笑いを浮かべながらうなづいている。

「ホセはおしゃべりなのに、奥さん相手だと聞くばかりなのか?」と聞いたら「言い返すと電話を切れなくなるから」とハニカミながら巨体を揺すっていた。

ホセ、

ホセよ、「俺たちに国境はないなあ、、、、、でも明日もないぞ。」

投稿者: 寿司豊味ととろぐ Sushitomi 投稿日時: 2014年2月28日(金) 01:17