Fluer de Lysここに一組のカップルがいる。訳あって、は自分の親に男のことはまだ秘密にしている。の母親は、年に一度程度、娘を訪ねてくる。は母親を連れてディナーと洒落込むのだが、男を放っておく訳にもいかない。男も同席させるが、良き友人としての扱い。しかし、男は異邦人で母親とは会話が成り立たない。これでは間が持たない。思案の末、は一通のメールを送る。かつて、太平洋の向こうで一旗あげてやろうと意気揚々と大陸へ旅立った先人たちは、西海岸の街に日本街を形成してお互いに助け合った。その先人たちに習うように、数年前に僕らが日本からアメリカに移り住んだ際、同じ時期にやってきた面々は、一緒に酒を酌みかい、悩みを相談したったものだった。旦那の渡米に伴って一緒にやってきた奥様方もお茶会と称する集まりを繰り返す。その当時、お茶会での話題のひとつに、「自分たちの親がやってきたときに、友人として安心して紹介できる男は誰か?」という話題があがったらしい。今、もう一度投票しなおしたら結果は違うかもしれないが、その当時、その栄誉に輝いた男こそ、今、パンツ一丁でこのブログを書いているぴろりんなのだ。おっと、くれぐれも誤解なきように一言添えておく。独身女性が素敵な男性として親に紹介するのではなく、結婚している奥様方が親に安心して紹介できる友人という扱い。人畜無害で牙の抜かれたトラの扱いなのだ。お前なんかと間違いは起こらないっていうことだね。ある日、ぴろりんはメールを受け取る。差出人はだ。メールには母が遊びに来ることが書かれている。「…という訳で、間が持たないので良かったら一緒に食事しませんか?」なるほど、どうやら安心して親に紹介できる男としての一面はまだ健在らしい。しかし、私もシングルズパーティでベストドレッサーに輝いた男。そう安くは自分を売ることはできない。が、その先にはこう書かれていた。「もちろん、ご馳走しますから」はいっ、いきますっ!!こうして、訳アリのと男、の母親、サンフランシスコ・ベストドレッサーに輝いた人畜無害の4名がFluer de Lysへと出かけることとなった。

投稿者: Franklin@Filbert 投稿日時: 2007年8月15日(水) 15:50