ふと思ったんだけど、自分、シリコンバレーのIT企業で働いていながら、このブログではTechな話題を1つも書いていなかった模様。仕事の話とか極力避けていたからってのもあるんだろうけど、たまにはTechなお話でも。
先週、夕方からサンフランシスコに足を運んできました。久々のサンフランシスコなんですが、目的は、とある日本のスタートアップカンパニーがサンフランシスコにオフィスを開き、そのオフィスウォーミングと、その会社の製品を体験するためです。
その会社とは、Telepathyという会社。
Telepathyが製品化を進めているのは、このようなメガネのような製品Telepathy Oneです。
これ、何かというと、目の前に小さなスクリーンが現れて、そこに画像が映し出されるというもの。メガネ型モニターとでも言ったところでしょうか。そして、この製品には、カメラとスピーカーもついているので、これを装着して自分が見た映像と同じものを、誰かに送信し、その人が送ってきた画像をそのまま見ることができるのです。自分が見た風景をリアルタイムに他人とシェアできる訳ですね。
似たような製品の開発を進めている代表格といえば、Google。GoogleはGoogle Galssという製品の開発を進めていて、すでにプロトタイプを有償で配っています。そして、そのGoogleから、「お前はコンペティターだ」と認められたのがTelepathyです。
この日、実際に、Telepathy Oneを体験させてもらいました。
まだプロトタイプとあって、体験できたのは、Telepathy Oneを装着して、隣にいる人のiPhoneの画像をこちらに送ってもらうというもの。Telepathy Oneのカメラやオーディオはまだこれから開発なのでしょうか(聞くのを忘れた)、この日はそれは体験できませんでした。
製品のデザインはシンプルで近未来的で好印象ですが、モニターの位置をアジャストするのに一苦労。
画像がちゃんと見えるようにするには、モニターの位置を微調整する必要があり、ちょっとでも位置がずれると映像を見ることができません。
また、この日見た画像も白黒の画像で、静止画でした(ひょっとしたら動画だったかも。だったとしても、それに気づかない程度の動画)。データ送信量を減らすためにそうしているのかと思ったのですが、実際のところはどうなのでしょう?
製品化までの道のりはまだ長そうですが、将来が楽しみな製品ではあります。
誤解を恐れず、端的に言ってしまえば、この製品がやろうとしていることは、目の前にスマートフォンをぶら下げておくのとある意味同じようなことですよね。今のスマートフォンなら、動画のリアルタイム送受信もできちゃう訳だし。なので、機能的にこの製品がやろうとしていることは、今も出来てるかと思います。あとは、それを小型・軽量化し、体の一部となるくらいに身に着けてしまい、「操作する」煩わしさからユーザーを解放できるかがポイントになるかと。
この会社のCEOの井口尊仁さんは、日本で、頓知ドットというという会社を立ち上げた人です。頓知ドットは、スマートフォン用アプリ開発に取り組んでいて、「セカイカメラ」というアプリをヒットさせました。
そして、彼は、頓知ドットのCEOの座を退き、Telepathy Oneの製品化を目指して新会社を設立し、サンフランシスコにオフィスを開き、彼自らシリコンバレーに飛び込んできたという、サムライスピリットを自ら歩んでいくチャレンジャーです。ちなみにオフィスと言っても、フィナンシャルディストリクトのビルの高層フロアにオフィスを構えた訳ではなく、WeWorkというIT系エンジニアのための共用オフィス。言うなれば、漫画家の登竜門となったトキワ荘みたいなところでしょうか。日本で成功を収めたのに、ハングリーな環境からはじめるという姿勢に真剣さを感じます。
井口さんとお話させていただきましたが、想像していたより気さくな方で、お忙しいのに丁寧に製品の説明や今後のビジョンなどを伺わせていただきました。
アメリカでの成功を祈っています!
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