中学1年から高校2年まで、毎日母がお弁当を作ってくれた。電車通学のため、7時前には家を出る私のために、母は朝早くから起きていた。冬の間は、学校に着くと窓の下のストーブの上にお弁当を並べて、お昼には温かいお弁当を食べた。待ちきれなくって、おやつの時間(そう、おやつの時間がある変わった学校)に早弁をしたことも多々あった。母のおにぎりは、学生鞄の中で押しつぶされ、ぺちゃんこになることがあった。母の日の宿題で、中1の時「ぺちゃんこおにりぎり」という詩に書いた。校内で選ばれて、全校生徒の前で私の詩が読まれた。そのことを母に言うと、「『ぺちゃんこおにぎり』なんて恥ずかしいわ~」と苦笑しながらも、本当は嬉しそうだったのを覚えている。小学校で出るランチが大好きなリアムは(味音痴か?!)、週2回だけお弁当を持っていく。(こちらの学校は、お金を出して購入しても良いし、家からお弁当持参でも良い。)学校のピザは「もういい」と、火曜日と金曜日のピザの日だけ、お弁当を持っていくのだ。ご飯大好きなリアムのために、おにぎり、卵焼き、肉一品、野菜一品を詰める。リアムが「おいしかったよ~」と毎回米一粒残さず食べてくれるのが嬉しくって、お弁当作りの励みになる。きっと私の母もそんな思いをしながら、お弁当を作ってくれたんだろうな~。自分がお弁当を作る番になって、初めて母の大変さがわかった。当時は母のお弁当が当たり前と思っていて、ありがたさもあまり感じなかった。毎日、私、兄、父の分まで作っていたなんて、改めて、尊敬。。。しかも、父はサンドイッチ党なので、ご飯党の私とは違うメニュー。この場を借りて、お母さん、お弁当を作ってくれてありがとう。朝早く起きてくれてありがとう。お弁当の思い出を色々思い出させてくれたのは、最近「すごい弁当力!ー 子供が変わる、家族が変わる、社会が変わる」という本に日本語学校の図書コーナーで出会ったから。日本の子供たちに、自分でお弁当を作ることを推薦している著者(九州大学農学研究員助教授)。実際に「お弁当の日」を取り入れている学校は全国でたくさんあるそうだ。お弁当を作った子供たちが、お弁当を作るのがどんなに大変かを知り、作ってくれた人への愛情に気づく。その上、自分でお弁当が出来たという自尊心を高めるなど、いろいろな「お弁当効果」が書かれている。「自分で弁当を作れば、自分にやさしくなれる。自分を大切にできる。これまで弁当を作ってくれた人に感謝の気持ちが芽生える」(「すごい、弁当力!」30ページより)「手づくりの料理には『あんたは大事なんよ~』とう親からのメッセージが込められている。子供は『あんたが大切なんよ~」というメッセージも食べているのだ。子供はそれを食べ、『自分は大切にされているんだ』『親がそれだけの時間とエネルギーを割いてくれるに値する価値があるんだ』『自分はウチにいていいんだ』と無意識のうちに心を満たしていく。そうしたメッセージを受け止めた子供は、思春期になって自分を大切にできる。『親に大切にされてきたんやけん』『お父さん、お母さんを悲しませたくは無い』と踏みとどまれる。」(「すごい、弁当力!」49ページより)本当にすごい、弁当力!
投稿者: Motokos Diary 投稿日時: 2011年11月11日(金) 23:46- 参照(158)
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