中学生の頃(1972年)好きだった曲のひとつに、「うつろな愛 (You're SoVain) 」 がある。当時のラジオでは、カーペンターズの明るくさわやかな歌声がかからない日はなく、ボクも好きだったんだけど、そこにこの怪しげなイントロに加え、どこか冷めて低い歌声のカーリーサイモンになぜか惹かれた。レコードを買い求め、歌詞カードを辞書で引いてみてもなにを歌っているのかさっぱり見当がつかない。自分には翻訳に必要な英語力はもとより、想像力も欠けていることを自覚したが、このレコードジャケットのカーリー嬢の胸元への想像力はたくましく育っていた。むしろこの写真を手に入れるためにレコードを購入したような気もする。ところでこの歌の中に、「Clouds in my coffee」 というフレーズがあるのだが、「コーヒーの中の雲とはなんぞや?」 と、当時の英語力で解決できなかった意味が、今の英語力でも解決できず、しかしこれは当時からけっこう謎につつまれた意味深な歌詞だったということが最近わかった。(だからなんだといわれてもわからないけど)まあ、英語の話しはこれくらいにしておいて(疲れたので)、行きつけのコーヒー屋の話。ほぼ毎朝ここの普通のコーヒーを買い求めるのであるが、うちの小生意気な女房は、小生意気にもカプチーノをリクエストし、しかも小生意気にもトリプルで頼む。さらに小生意気なことに、「マイケルがいなかったらいらないわよ。」 と、作り手までリクエストする。通常、「小生意気」 という日本語は、「かわいい相手を対象に、ちょっと生意気な態度がさらにその相手を可愛く思わせる」 という場合に使うと思うけど、ひとつの文章で、ひとつの主語にたいして繰り返し使うとどういう意味になるのか・・・・・作者のこの主語に対するスタンスを想像しなさい。で、このマイケルのトリプルカプチノだが、coffee1.jpg coffee2.jpg coffee3.jpg他の作り手は、最初にコーヒーを入れてからスチームミルクを足すので表面が真っ白になるけど、マイケルは、あわ立てたクリームを丁寧にスプーンで移し、エスプレッソをゆっくり回しながら落としてくれるので、持ち帰り用のカップでも、こういう仕上がりになる。しかも、このエスプレッソでできた模様で、「Oh!! 今日は○○だぞ!!」と、なにか意味不明の、占いらしきスラングを発するのだ。英語の意味がわからない時、スラング扱いにしてしまうのは僕の悪いクセだが、こういうコーヒー模様を見るとき、「Clouds in my coffee」 と、カーリーの歌が聞こえてくるのだ。カーリーザイモン.jpg

投稿者: 寿司豊味ととろぐ Sushitomi 投稿日時: 2010年11月24日(水) 11:06