書籍:「世界で戦うキャリアづくり―グローバルを知る外資系トップが語るリーダーの条件」(★★☆)コメント:最近読んだのが本書籍。著者の脇若氏は、早稲田大学卒業後、三井物産入社。ハーバード大にてMBAを取得。36歳の時にBPオイル・インターナショナル(英国)に転職、その後BPジャパン(株)代表取締役社長に就任した人物。なんとなくタイトルから書籍の内容が推測出来そうだが、読み易い一冊。基本的には石油ビジネスを題材にしているが、ビジネス全般に通じる内容だと思う。「原油トレードの基本は三つしかない。」①モノのクオリティ(品質)のスワップ、②タイミング(時間)のスワップか、③ロケーション(場所)のスワップ、この組み合わせで取引するのだ。「トレーディングの仕事には、四つの能力が必要である。」①情報収集、②分析、③意思決定(決断)、④実行である。この四つのフローを意識するだけで、一つひとつの行動が、勘ではなく、情報に基づいたロジックで動けるようになる。『売る』『買う』という決断以外にもうひとつ重要かつ、忘れがちな意思決定がある。それは「Do Nothing(何もしない)」という決断である。また、外資系企業で活躍された人物だけに、キャリアの作り方は興味深い。例えば、キャリアアップの選択オプションは、大きく三つの要素(①会社、②勤務地、そして③仕事内容)から成る。そして、コツは、三つを一気に変えないことである。また、人生を12年周期で考える。最初の12年間は、ちょうど義務教育の小学校までの時間であり、家庭の勉強、生活の基礎、人生の基礎を身に付ける。そして次の中学以降の12年は、学校の勉強。いわゆる学問としての勉強を徹底して行う。そして次の12年、おおよそ36歳くらいまでは、ビジネスの基礎を固める期間だ。この12年が、次の12年を開花させるために非常に重要になるのは言うまでもない。36歳から48歳までは、身に付けた基礎を使って、本格的にビジネスに取り組み、成果を出す段階だ。ここで自分の進むべき報告はおおよそ見えてくるだろう。そして、48歳から60歳までの間は、自分がやってきたことの完成度を上げていく時期だ。2年で結果を出す「6・12・6の法則」職場を移ると、最初の六ヶ月は、まずは仕事を覚える。そして次の十二ヶ月でそれをマスターする。この時に変える必要があるところは、どんどん変えていく。そして、最後の六ヶ月で仕上げていくのである。世界で戦うキャリアづくり―グローバルを知る外資系トップが語るリーダーの条件(2008/11/14)脇若 英治商品詳細を見る
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