昨日かおとといのニュースなのですでに多くのみなさんがご存知と思うけど、GSKがConcert Pharmaceuticalsというベンチャーと重水素(D)化した医薬に関するディールを結んだ。ひとことで言えば、すでにある医薬品(または医薬品候補)の代謝的に重要な位置をD化することで、代謝がブロック(遅延)され、効果が増す(はず)ということ。アップフロント$35M、総額 > $1Bというなかなかの大型ディール。過去に同じアイデアを考えた人はたくさんいるであろうけれど、実際に本気で取り組んだのは意外にこのConcert Pharmaceuticalsが最初だったらしい。最近USPTO(アメリカの特許庁)が彼らの特許出願を認めたとか。数々のD化医薬の特許を今までに100件以上出願していて、CEOによればこれからどんどん特許化されていくだろうとのこと。発明の3つの要件のうち新規性、有用性は問題なかったとしてもが、進歩性(非自明性: すでにある知見から簡単に類推可能ではないこと)をどう示すかがポイントだったと思われますが、でもまあ認められたということです。重水素というのは海水からたくさん取れるらいいけど、いくら放射性同位元素ではないとはいえ、天然にあまり存在しないアイソトープを摂取するの何となく(非科学的だけど)気持ちのよいものではないような。でもほとんどの薬自体がもともと天然に存在しない化学合成品(異物)なのだから、安全性が確認されている薬をさらに改善してくれるのだとすれば、どちらかといえば歓迎すべきことかも知れないですね。ひとつうまくいけば、あとは芋づる式にいける可能性が高いので、濡れ手に粟の一攫千金なるか、Concert Pharmaceuticals。
投稿者: A-POT シリコンバレーのバ... 投稿日時: 2009年6月3日(水) 20:41- 参照(218)
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