このところ大きなニュースになっている豚インフルエンザというか、新型インフルエンザ。(英語ではswine fluといいます)鳥インフルエンザといい、このところ人間の生活を脅かす大きな病気が発生することが目立っているよね。これについて、親しくしてもらってる方からこんな文章をいただいた。大変考えさせられる内容なのでここで紹介しておくね。以下、Probiohealth, LLC.の小出(こいで)さんからいただいた文章...豚インフルエンザアメリカのお隣りメキシコでは豚インフルエンザが大問題になっています、その余波はアメリカでも広がるような勢いです。鳥インフルエンザもそうですが、これは人間に対する自然の警告であると考えています。アメリカで大規模養豚会社の農場に、頻繁に研究の為足を運んだ経験からすると、起こるべくして起こったと非常に強く感じます。アメリカの多くの大規模養豚業者では、豚の飼料に日常的に抗生物質を加えています。抗生物質を加えるのは
- 伝染病予防のため
- 成長促進剤として
- 治療薬に対しての価格的優位性
大規模養豚場では、一豚舎あたりに約千頭ほどの豚を育てます。子豚の時はまだ良いのですが、出荷前には130キロから150キロにもなり、豚同士が常時接触しているような状態となります。この様な状態で、一旦伝染病が広がると、次々と豚が死んでいきます。その様な状況を防ぐため抗生物質を常時餌に混ぜています。
抗生物質を投与することによって、腸内の有害菌が死滅して、餌の消化吸収率が良くなり、食欲が増加すると考えられているからです。養豚業者が考えているのは、飼料効率(1キロの餌が何キロの肉に変わるか)、平均成長率(一日に何キロ成長するか)の2点です。もちろん、究極の成長促進剤は、ホルモン剤です。この抗生物質とホルモン剤を投与しないと、養豚業者の生産性が30%落ちるとのレポートがあります。しかし一方、この成長促進作用はあまり効果がないとのデータもあります。個人的な実験の結果から察するに、抗生物質、ホルモン剤のコンビネーションは豚の成長を促進すると思います。
豚が病気に罹り、ワクチン投与等の治療にかかる薬代は非常に高額です。なお且つ、それに伴う人件費も高くなります。その為、日常的な抗生物質の投与になってしまうのです。
最大の問題はここからです。日常的に抗生物質を投与されている豚は、本来動物が持っている自己免疫機能が働かなくなってしまいます。これらの豚が何代にも渡り繁殖されると。更に自己免疫機能のない豚になってしまいます。そしてより新しい病気に対するため、より強力な抗生物質を与えることになります。しかし、どんな抗生物質を投与してもいずれ耐性菌が出来てしまい、終わりのない戦いが始まります。更に、これらの構成物質、ホルモン剤は肉に残留し、最終消費者である、私たち人間に悪影響を与えます。自然は、この闘いに終止符を打つように警告をしているような気がしてなりません。人間はもっと自然と共存する生き方を再度模索する大きな転換期に来ていると思います。豚に乳酸菌を与える実験をしていた当時、抗生物質を投与していた豚と乳酸菌を投与した豚を詳細に比較したのですが、外見の違いは一目瞭然でした。抗性物質を投与されて豚は総じてみの締まりが良くなく、青白い皮膚の色をしていました。一方乳酸菌で育った豚は身の締まりが良く、健康的なピンク色の皮膚の色をしていました。当時、約一万三千頭の豚を乳酸菌で育て、非常に良い結果が出ましたが、アメリカの大規模養豚業者は、まだまだ保守的で抗生物質を乳酸菌に換えるという決断には至りませんでした。それ以外にも製薬会社の強力な反対にあったのも事実です。大手製薬会社にとって、家畜用の抗生物質は大きな収益の柱になっているのです。最近のプロバイオティックスのアメリカでのブームにより、家畜用乳酸菌に対する問い合わせが増えてきています。皆さんもインフルエンザに罹らぬように、自己免疫力を強くして下さい。...ここまで食の安全性が問われる昨今だけど、ほんとうに重要なことだよね。食肉にしても、飼育環境についてもっと議論すべきなんじゃないだろうか。
投稿者: Sunny Californi... 投稿日時: 2009年4月29日(水) 04:43- 参照(257)
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