4月1日、Bossのコンサートに行って来た。’85年のオークランドスタジアム(Born in the USA ツアー)を見て以来今回が3度目。相変わらずエネルギッシュで、3時間近いコンサートの間、ほとんど息もつかずに歌い、ギターを弾きまくっていた。とてもアラ還とは思えない。観衆は老若男女問わず万遍無くそろっており、最初の曲(Badland)からノリノリで、アラフィーのボクも立ち上がり腰を振るのにいささかもやぶさかではなかったのであるが、ふと前を見ると、銀髪で恰幅のいいアラ古来らしき親父の、その左頬を涙がつたっている。コブシを握った両手はきちんと両膝の上に置き、かすかに身体をゆすりはするが、立ち上がることはない。この1曲目で頬をつたった涙は、途中何度か乾くことはあっても、手で拭うこともなくまた繰り返し流れ続け、結局この老人はアンコールの途中で立ち上がり、大きく拍手をしたのち、会場を去っていった。Bossの変わらぬ叫びに夢と勇気を授かり、老人の涙と握りこぶしにもまた、同様の感動を憶えた1日だった。
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