昨日地元のショッピングモールの近くを車で通りかかったら、地場のGottschalks(ガッチョークス)というデパートが「閉店につき全60%オフ」という看板を見かけました。昨年末にはMervyn'sというやはり北カリフォルニアベースのデパートが倒産したばかりなので、地元のモールにはMacy'sとSearsという全米チェーンしかなくなりました。Gottschalksはやや年配向けの品揃えという印象はありましたが、地元では信頼のおける老舗というイメージで、結婚当時ここでウェディングレジストリーを作り、サンタクルーズでの披露宴に招待した人々にこちらでギフトを買ってもらったので、ここがなくなってしまうというのはかなりショックでした。Macy'sといえばNY本店のサンクスギビングのパレードでも有名な全米チェーンですが、ここも景気低迷で売り上げは大幅ダウンしているようで、株価もがっくり下がっています。一般のアメリカ人は銀行預金の額ではなく、クレジットカードのスペースに基づいて買い物をするので、カード会社が軒並みクレジットの限度額を下げている現在、収入が下がっていない人も買い控えをするようになるのだと思います。時を同じくして全米で問題になっているのは新聞各紙の存亡です。アメリカには日本のような全国紙というものがなく、NYタイムスやワシントンポストのような大手新聞も、それぞれの都市をベースにしています。わたしの住むサンタクルーズの地元紙、サンタクルーズ・センティネルは昨年サンノゼマーキュリーに買収され、ダウンタウンのオフィスが閉鎖されたのですが、今度は大手誌のサンフランシスコ・クロニクルが閉鎖の危機に陥っています。(関連記事)オーナーであるハースト社が、従業員が大幅給与カットなどに同意しなければ廃刊にする、と脅しているのだそうです。2月の末にはフィラデルフィア・インクワイアラーが倒産したそうで、全米で軒並み広告収入の激減とともに各新聞も廃刊の危機にあるのです。広告主の予算が激減していることも事実ですが、ネット上では広告収入が増え続けている、フェイスブック、トウィッターといったメディアがあります。明らかに広告主が広告を出す媒体を変えているのです。またアマゾンの2008年Q4は対前年で18%の伸びだそうです。今回の不況は、紙媒体や現場の小売、というビジネスモデルを基本的に淘汰するものになったようです。ところで、サンタクルーズで目立った成長を見せているビジネスがあります。それはニューリーフNew Leafというオーガニック&自然食品のチェーンです。ここのポリシーは、極力オーガニック、サステイナブル、なおかつ地元農家優先の仕入れ、ということで、つい先月にも我が家から歩ける距離に、大型店舗がオープンしたばかりです。全米でもホールフーズWhole Foodsという同様のチェーンが爆発に成長しており、サンタクールズにもすでに1店舗がオープン、さらにもう一店舗オープンの予定です。書籍や新聞はオンラインで購入、というのはわかります。さらに洋品や家電はショッピングモールで手にとって見、試着し、オンラインで価格を比較して購入するわけです。そして、食品のように新鮮さや安全性といった、手にとって確認したいものは、今後も売り場を必要とする小売で、というわけですね。
投稿者: みーぽんのカリフォルニアで社会科 投稿日時: 2009年4月5日(日) 20:49- 参照(339)
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