スシトミイエローページでご紹介した、「LA VIEILLE FRANCE 」 の木村成克シェフの本 「いくつもの時代を超えた存在感 フランス菓子の頑固な味」 が旭屋出版MOOK から発売されました。 この本の中で木村シェフは、フランスでの修行時代から現在までの歩みを、その折々に学んできたフランス菓子をひとつひとつ丁寧に紹介することで、その確固たる古き良きフランスの王道の菓子を、自らが引き継ぎ伝えていこうとする大いなる使命感あふれる本になっています。そしてそれは単に写真や作り方を載せるにとどまらず、その菓子が生まれた時代背景・歴史を織り込みながら、 「なぜこの菓子を残していきたいのか?」 というこだわりをあくまでも平易に、しかし熱く語る職人の世界を垣間見ることのできる本なのです。シェフ曰く、王道の菓子とは、「派手でありませんが、手の加えようのない普遍的なおいしさと、変えようもない究極のデザインには心に迫る存在感があり、作るたびに圧倒されてしまいます。・・・・・・・・・(中略)・・・・ぼくは流行に翻弄されず、「決まり」の中でどこまで高められるかで勝負したい。・・・・・自分で感動した味は誰かに伝えたい。」この本を読むと、その菓子を食べたくなり、これらの菓子を食べた人は、きっとどんな人が作っているのだろうかと知りたくなることでしょう。そしてただそれだけではなく、人からなにかを学ぶということ、そしてそれを自分の財産として大切にすること、それをまた確実に伝えていくということ・・・・しげちゃん、素敵な本を作ってくれてありがとう。見失っていたものを思い出しました。
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